ノーベル物理学賞「ニュートリノ振動の発見」ってどんなこと? 宇宙はなぜ、どのように生まれたのかを解くかもしれない大発見について、やさしくわかる!

2015.12.08 お知らせ, 読み物

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■2015年ノーベル物理学賞「ニュートリノ振動の発見」
予備知識がなくても“ニュートリノ”が何かが本書でわかる!

2015年のノーベル物理学賞を梶田隆章博士が受賞しました。
「ニュートリノ振動を発見し、ニュートリノに質量があることを示した」という功績を称えての受賞です。
ところでこのニュートリノっていったい何? ニュースで説明を聞いたけど、さっぱりわからない…。
本書はそんな方のための、いちばんやさしいニュートリノの本です。
「ニュートリノ振動の発見」は、なぜ、われわれがこの宇宙に存在するのかを解くかもしれない大発見なのです。

■“幽霊のような”不思議な物質ニュートリノ

ニュートリノはこの世界を構成する物質「素粒子」の一種ですが、私たちはニュートリノを見たことも、触ったこともありません。それは、ニュートリノが他の物質とほとんど反応せずに、何でも通り抜けてしまう粒子だからです。そのため、“幽霊のような粒子”と言われてきました。
ニュートリノの特徴をまとめると、次のようになります。

・ニュートリノは私たちの体や、地球など、
ほとんどどんなものでも通りぬけてしまう。
・実はニュートリノは宇宙のさまざまな場所で発生している。たとえば
太陽ニュートリノは1平方センチあたり1秒間に660億個という途方もない数。
・われわれの生きるこの世界にも大量のニュートリノであふれているが、
ニュートリノは見ることも触ることもできないので、われわれはその存在にまったく気付かない。

“幽霊”のように存在感のないニュートリノですが、実は、私たちが存在する、この宇宙のしくみを解き明かすカギを握っているかもしれないのです。でも、見ることも、触ることのできないニュートリノという粒子は、本当に存在しているのでしょうか? また、その存在をどうやって確かめ、研究をしているのでしょうか。

■日本の素粒子研究は世界最先端

実は日本はこの素粒子研究の分野で最先端の国なのです。これまで数多くの物理学者がさまざまな功績をあげてきました。とくに、小柴昌俊博士は1987年にカミオカンデによる実験で宇宙から届いたニュートリノを初めて観測し、その偉大な功績で2002年にノーベル物理学賞を受賞しました。これは、ニュートリノをとらえ、調べることで宇宙のしくみを調べることもできる、という発見でもあり、「ニュートリノ天文学」という新しい研究分野を拓くことにもなりました。

■ニュートリノの謎がとけると新しい宇宙のすがたがわかる?

そして、2015年にノーベル物理学賞となった梶田博士らの発見は、これまで質量がないと言われてきたニュートリノに「質量がある」ことを証明しました。実は、素粒子物理学の理論は、ニュートリノに「質量がない」ことを前提に組み立てられてきたものです。
梶田先生のグループが、ニュートリノに質量があることを示したことは、これまで長い年月をかけて組み立ててきた素粒子の理論に修正を迫る、世紀の発見だったのです。
そして、素粒子の理論を修正して新しい理論をつくっていくということは、私たちが生きるこの世界、つまり宇宙のしくみも、これまで考えられてきたものとは異なる可能性があります。不思議な粒子・ニュートリノにはまだまだ多くの謎がありますが、その謎を解明することで、私たちの知らない、まったく新しい宇宙の姿が見えてくるかもしれないのです。
本書は、ニュートリノなどの素粒子の世界を予備知識なしでもわかるように、やさしく紹介しています。ニュートリノという、とても小さな粒子を研究することが、なぜ、この広大な宇宙のしくみを解き明かすことにつながるのか、物理学や宇宙論についての知識ゼロからでも、すっきりわかる、とことんやさしいニュートリノと宇宙の本です。

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『ニュートリノってナンダ?』
著者:荒舩 良孝
仕様:四六版、120頁
定価:1,200円+税
ISBN:978-4-416-11558-9