今晩、地球に最接近! 小惑星探査の旅に出る「はやぶさ2」の ミッションとは?

2015.12.02 読み物

■いよいよ小惑星探査の旅に出る「はやぶさ2」
2014年12月3日に地球を旅立った「はやぶさ2」が、ちょうど1年後となる今日12月3日に地球に最接近します。これまで地球に近い軌道を進んできた「はやぶさ2」は本日3日、地球の引力を利用して、小惑星へ向かう方向に軌道を修正、いよいよ本格的に小惑星探査に旅立ちます。

■「はやぶさ2」のミッションとは?
「はやぶさ2」の前探査機となる、小惑星探査機「はやぶさ」は2003年5月に打ち上げられました。次々と起こる技術的なトラブルに見舞われながらも、2010年6月に地球に帰還。オーストラリア上空の大気圏に突入し、その身を燃え尽きさせながらも、「はやぶさ」は世界で初めて小惑星の表面物質を地球に持ち帰ることに成功したのです。
小惑星の物質を持ち返ること。それは原初の太陽系を知る手がかりとなります。太陽系では、まずガスやチリからなる原始太陽系星雲の中で、直径数km程度の小さな惑星がつくられました。そして小さな惑星はたがいに衝突や集積を繰り返して大きくなり、惑星系がつくられました。小惑星は、木星などの巨大惑星がつくられるときに、小惑星同士が衝突を繰り返してつくられたと考えられています。小惑星には、その頃の太陽系の情報が原初の状態で残されている可能性が高いのです。「はやぶさ」という無人探査機で持ち返った小惑星の物質を研究することで、惑星が形作られた過程を解き明かせるかもしれない、「はやぶさ」ミッションはそうしたプロジェクトです。
この「はやぶさ」に続くプロジェクトとして計画されたのが「はやぶさ2」です。「はやぶさ」で挑戦した技術をさらに改良し、確実性や安定性を高めた探査技術で新たな小惑星に向かいます。目指すのは小惑星「Ryugu(りゅうぐう)」。小惑星「Ryugu」の表面物質には水や有機物が含まれていると考えられていて、地球の海の水の起源や生命の原材料を解明することにつながると期待されています。「Ryugu」という名称は、浦島太郎が玉手箱を持ち返ることを小惑星から物質を持ち返ることに重ね、またそれが「水」を想わせる名前であることから命名されました。
「はやぶさ2」は2018年に小惑星に到着し、小惑星の物質を採取、2020年に地球に帰還予定です。太陽系誕生や生命誕生のなぞの解明を目指す「はやぶさ2」の新たな挑戦がいよいよ始まります。

■「はやぶさ2」地球に最接近!
「はやぶさ2」の地球最接近は今晩19時7分ごろ。残念ながら肉眼での観測は難しいですが、明日の夜は、「はやぶさ2」の新たな旅立ちに思いをはせてみてはいかがでしょうか。

本書『はやぶさ-2つのミッションを追って』(誠文堂新光社刊)は、「はやぶさ」と「はやぶさ2」のミッションの全容を知ることができる一冊です。著者は「はやぶさ2」プロジェクトを全編フルCGで映像化、ミッションの道のりとその科学的な意義をとらえ、多くの人に感動を与えるドラマとして描いた映像作品『HYABUSA2-RETURN TO THE UNIVERSE-』を作りあげた上坂浩光監督。「はやぶさ2」プロジェクトが進行中の段階から、JAXAのプロジェクチームの協力を得て映像化していく過程を描いたドキュメントです。上坂氏の映像制作過程を通して、「はやぶさ2」ミッションの意味と、「はやぶさ2」ミッションという宇宙探査にわれわれ人間が願うものとは何かを知ることができる1冊です。

http://www.seibundo-shinkosha.net/pickup/hayabusa2/

cover
「はやぶさ」-2つのミッションを追って
上坂 浩光/著
A5版、320ページ
本体1,400円+税