『真田幸村 逆転の決断術』
野中根太郎/著
定価:1,500円+税
四六、242ページ
ISBN978-4-416-71595-6

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立ち読み

日本人の琴線に触れる、真田幸村の「決断術」とは?
『真田幸村 逆転の決断術』著者 野中根太郎先生にインタビュー

10月20日、真田幸村の「決断術」に焦点をあてた書籍、『真田幸村 逆転の決断術 相手の心を動かす「義」の思考方法』が刊行されました。著者の野中根太郎先生は、古典や歴史を題材に日本人の本質に迫る著作を多く執筆されています。そんな野中先生に、真田幸村の魅力をうかがいました。

―なぜ、真田幸村を題材に本を出そうと思われたのですか?

実は以前に、『孫子の兵法』『吉田松陰の名言100』という本を出したのですが、NHK大河ドラマ関連本として扱われ、多くの読者に喜んでもらいました。
それならば、ということで、今回、はじめて来年(2016年)の大河ドラマに合わせて、幸村をとりあげてみようと思いました。もともと、幸村がなぜこれほどまでに日本人に人気があり続けているのかを、自分なりに調べてみたいと思っていたのもあります。
詳しく調べるまでのイメージは、「とても頭の切れる戦術家」というものでした。しかし、今回書いてみてわかったことは、幸村は、人を愛し、そして誰からも愛される人であった、ということでした。決してあきらめることのない人で、実際どんなピンチでも、勝ち抜くための戦略、戦術を練りだしました。さらに、小でも大に勝つことができる、という日本的組織力の強さの模範を見せてくれたのではないかと思います。つまり、真田幸村は、私たちの目指してみたい人間像の一人なのではないか、と思います。

―今回のテーマは「決断術」ということですが、真田幸村の決断術とはどのようなものなのでしょうか?

幸村の決断術で共通することとしては、3つあると思います。
まず、「自分の運命に逆らわず、親や上司などにも逆らわず、それでいながらも自分の考える義(自分の考える正しい生き方)を見つけていく」こと。
次に、「自分を支持してくれる人、ついてきてくれる人が、一緒に戦い、一緒に進むことで喜びを感じられるような大義を掲げて、みんながこれに力を合わせられるようにする」ことです。
最後に、「敵、ライバルにも好かれる真っ直ぐな好感度人間でありながらも、その裏ではしっかりと自分の憂いを除去させる(かたをきちんとつけておく)準備をしておく」こと。
幸村は、がむしゃらに道を開くというより、流れに逆らわずに、流れの中で最善の決断をし、自分と周りの人たちの人生を輝きあるものにした人でした。

執筆にあたり、全国各地を取材されたそうですが、印象に残ったエピソードなどはありますか?

「砥石城跡」写真:野中根太郎

取材で関ヶ原に行ったのですが、そのとき、関ヶ原町歴史記念館の売店に寄りました。そこで一番売れているのが、なんと「日本一の兵(つわもの)」と書かれたマグカップだというのです。ご存知のように幸村は関ヶ原には行っていません。どれだけ人気が高いのでしょうか。もちろん、私も買いました(笑)。
長野県の上田もそうです。上田駅前には、幸村が馬に跨がった像があります。上田は、もちろん真田氏の本拠地となり、上田城を拠点として2度も徳川の大軍を退けています。しかし、幸村自身が上田にいたのは、わずかな年数だと思います。それでもやっぱり「幸村」なんです。難攻不落の砥石城跡(ほとんど山登りでしたが)でも、若き頃の幸村もいたことがある、と説明がありました。
今年、2回目に上田をおとずれたとき、JAの直売所に寄りました。そこで信州りんごの缶ジュースを買ったのですが、缶には、かわいい幸村くんのイラストがありました。もちろん、とってもおいしくて、たくさんおみやげに買いました。
幸村人気は、時を経て衰えるどころか、ヒートアップしている。そういう武将も珍しいように思います。

―私たち日本人が、真田幸村の生き方から学ぶことはどのような点でしょうか?

幸村の生き方は、どんな状況であろうと必ず勝ち抜くことができるんだ、ということを教えてくれます。現状を嘆くことなど絶対なく、今を楽しみ、これからも自分を最大限に生かしていく大義を掲げ、それに向かえば、人の一生はとても意義あるものになることを教えてくれています。また、どんなに小さくても、たとえお金があまりなくても、何とかするという知恵と志の大切さを教えてくれました。生きることは楽しく、人生は自分を生かすためにあるのだ、と強く励ましてくれるのが、幸村の生き方なのだと思います。
今回書いた本『真田幸村 逆転の決断術』で、そんなことが読者の方に伝わるといいなと思っています。

野中根太郎 (のなか・ねたろう)

早稲田大学卒。海外ビジネスに携わった後、翻訳や出版企画に関わる。海外に進出し、日本および日本人が外国から尊敬され、その文化が絶賛されているという実感を得たことをきっかけに、日本人に影響を与えつづけてきた古典の研究を更に深掘りし、出版企画を行うようになる。近年では古典を題材にした著作の企画・プロデュースを手がけ、様々な著者とタイアップして数々のベストセラーを世に送り出している。著書に『超訳 孫子の兵法』『吉田松陰の名言100 変わる力 変える力のつくり方』『品格ある日本人をつくる! 武士道の名言100』『真田幸村の凛とした生き方 志と知恵と仲間力』(すべてアイバス出版)などがある。

目次

真田幸村 逆転の決断術
相手の心を動かす「義」の思考方法

野中根太郎/著、定価:1,500円+税、四六、242ページ、ISBN978-4-416-71595-6

目次
第一章 混乱の中で、日本人の礎が築かれた 
天文10年(1541年)~天正10年(1582年) 
武田家時代

日本人の精神的支柱、「武士道」の原点/士は、己れを知る者とともに/実績をもって信頼を得ていく/信頼関係を強くしていくために/敵をも魅了する人間的魅力/本質を見抜く眼を磨く/人は、よき師、よき友に出会うことで本物になる/本当の強さとは、日ごろの行動に裏付けされたものである/芯があれば、不利な状況でも動じることはない/心は熱く、頭は常に冷ましておけ/コラム 山本勘助

第二章 不遇の時代にこそ、縦横無尽に躍動せよ 
天正10年(1582年)~天正13年(1585年) 
真田家苦難の時代

機を逃さず次の一手を打つ/従属しても、自分の位置は決して見失わない/戦略眼なき者は大将にふさわしくない/たとえ小さくとも存在感を出せば生き残れる/戦略眼の確かさで小が大を破る法/いくつもの策を講じ、状況に応じて打つ手を考える/大勢に帰属しても、譲れないものがある/大と戦っても小が勝つ戦略はある/不遇の時代にこそ人間力を身に付ける/強者を恐れない心の余裕/コラム 真田三代記

第三章 人を見、話を聞き、自らを成長させる
天正14年(1586年)~慶長3年(1598年)
幸村の修行時代

人物こそ、最大の武器/終わったように見えても、まだまだ先がある/乱世で生き残るために、盤石の保険をかける/あえて、紛争に挑む/初陣は華々しく飾れ/大人物の心の動きを間近で学べ/才覚は人から吸収する/コラム 真田十勇士 

第四章 大義を貫く決断が、自らを飛翔させる力になる
慶長5年(1600年)
関ヶ原の戦い

家族が敵味方に分かれてでも、家を残す/大きな志を遂げるために質の高い駆け引きをする/大胆に、繊細に、強敵をほんろうする/力量の差は、もっとも重要な局面で表れる/コラム 信之の役割 

第五章 たとえ苦境でも、自らを磨き、高められる
慶長5年(1600年)~慶長19年(1614年)
雌伏の時代

命さえあれば、次につながる/わびしい暮らしの中で、豊かに生きる/野望は自己卑下の下に隠されている/死ぬまでプラス思考、戦略眼を忘れない/コラム 手紙に書かれなかった本音 

第六章 満を持して、大義を実現する
慶長19年(1614年)
大坂冬の陣

自分の生き方を貫くときが、必ずくる/人は、自分を篤く思ってくれている人と生死をともにしたいもの/どんな大英雄にも苦手な敵がいる/第一の策が通らずとも、策はまだある/優れた将のみがスパイをうまく活用できる/弱点を逆手に取り、守りながら攻める/利よりも大切なものがある/義を貫く生き方/和睦の中に嵐を予見する/コラム 酒好きの幸村 

第七章 義に生き、華と散る美しさ
慶長20年(1615年)
大坂夏の陣

戦いに勝つ基本の策は先手である/寄せ集め部隊でも、戦い方を工夫すれば強くなる/見込んだ敵に娘を預ける眼力/“赤備え”に見る誇りと気概/大勢は決すとも、決死の覚悟で一矢報いる/コラム 真田と忍者

【巻末付録】
真田家略系図
真田家年表
人物相関図

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