最新ニュース

【戸建てのAC電源経路部品の交換で音質向上】サブゼロ処理ブレーカーと壁コンセントの効果〈サブゼロ処理研究所〉

2025/09/09 19:27:32

文:井上千岳 INOUE Chitake
サブゼロ処理研究所のHST(SE)処理は,金属や樹脂を窒素ガスによる極低温24時間処理を2度繰り返した後に内部応力の除去を目的とした特殊な物性処理を行うもの.今回サブゼロ処理研究所代表の筒井浩氏の転居にともない,ブレーカーとコンセントを処理品に交換したので,井上千岳氏に効果の確認を依頼した.

オーディオ経験豊富な電気工事士と提携

サブゼロ処理研究所のHST(SE)処理電源パーツについては,以前にも拙宅の分岐ブレーカー交換を紹介したことがある.また後日壁コンセントも換えてみて,やはり同様の効果を確認した.その間の屋内配線はそのままにしておいても強烈な違いが出ることに驚いている.
今回は同研究所を主宰する所長の筒井浩氏が,引っ越しされたばかりのご自宅の電源を交換するということなので,その模様をお伝えすることにした.
工事は兵庫県姫路市で永光電設を経営する永瀬浩一氏.電気工事業として,一般家屋から施設などまで幅広く手がけている.順序として,先にこちらの紹介をさせてもらいたい.
永瀬さんは電気工事士としてはもちろんベテランだが,以前はさまざまな仕事をされていたらしい.カーオーディオの基板を作っていたこともあるそうで,オーディオとの関係は薄くないという.こちらで開業されたのは平成16年のこと.工事業の組合で,横のつながりも豊富のようだ.
数年前、あるプロジェクションマッピングの設営に永瀬氏も設備の関係で参加されていたそうだが,そのスピーカーがタンノイで,アンプなどもかなり豪華なシステムだったという.プロジェクションマッピングとの連動でとても効果のあるいいイベントになったそうだが,オーディオでもなにか手を入れることですごくよくなるということに興味が湧いた.もともとオーディオ的なマインドをお持ちなのだろう.それでインターネットでそうしたものを探しているうち,たまたまブレーカーやコンセントのクライオ処理というページを見つけたという.それがサブゼロ処理研究所だった.
そんなことがあるのかと,さっそくブレーカーを取り寄せてご自宅のものと交換してみると,ダリのスピーカーがアーッと声が出るほど違ったのに驚いたという.サブゼロ研究所との付き合いはそこからだ.
筒井氏としてはこういう工事店をこれから各地に探して,そこをその地域の拠点にしていきたいと考えていたところだったそうだ.ちょうどいいタイミングで両者の意思が揃ったというところである.


工事に立ち会い音質向上を目の当たりにする

さて翌日がいよいよ工事である.分岐ブレーカーと壁コンセント,それに今回は戸外のサーキットブレーカーも交換することになった(HST-BCWA360(P)-(SE).標準価格103,125円;CTLオンラインストアでの特別価格82,500円.2025年9月1日発売予定).

庭にあるポールのBOX内のサーキットブレーカーをHST-SE処理品に交換.HST-BCWA360(P)-(SE)部材;パナソニックBCWA-60 3P 60A.税込価格¥103,125(CTLオンラインストアでの特別税込価格¥82,500.2025年9月1日発売予定)

工事はまずそのサーキットブレーカーから.生憎の雨模様だったが,ちょっと止んだ隙を突いて永瀬氏は手早くブレーカーを取り換えてしまった.この段階でまず音を聴いてみることにする.

旧式のブレーカーを,ボタンを押すだけで復帰する現行のブレーカーに交換

スピーカーはProAcのブックシェルフ型である.ちなみにCDプレーヤーはアトールのCD200 SE,アンプはカウンターポイントのソリッドステート型セパレートがつないである.その音は交換前に確認した.当たりの柔らかな心地よい音だが,少し靄がかかったようにはっきりしないし,レンジも高低ともに狭い.それが解消できるのか,ちょっと難しいかというのが正直なところだった.
しかし,聴いてみると,そんな懸念はまるでどこ吹く風で,一気に霧が晴れて音調は明瞭.ことに低域がきちんと沈んでいる.高域もよく伸びる.HSTの効果は予想外であることが多いが,ここでもそうだ.
続いてコンセント.2口タイプを2個並列にする(HST-Concent(SE)-A).

リビングの壁コンセントをHST-SE処理品に交換 HST-Concent(SE)-A (ステンレスプレート付属) https://ctl-onlinestore.raku-uru.jp/item-detail/1500892

大元が変わっているのだから大きな違いはないかと思ったが,結果はまったくの逆である.もの凄いほどの明瞭さで,輪郭全体がくっきりとして低域から高域まで芯が通ったようにシャキッとしてしまう.やはりコンセントは一番の要なのか?
最後に分岐ブレーカーである(HST-20A BS1112(P)-(SE)).大元と出口を替えて,ここはルートの中間に当たるため,それこそ大した意味はないように感じる.

台所にある分電盤内の分岐ブレーカーをHST-SE処理品に交換.標準タイプHB型分岐ブレーカーHST-20A BS1112(P)-(SE).https://ctl-onlinestore. raku-uru.jp/item-detail/1630827

ところがここでも予想は大きく裏切られることになった.いままでにも増して明快.そしてピントがぴったりと合うようになり,最初のもやっとした鳴り方とはまるで違う,鮮明そのものの音に進化した.まったく別物という印象である.
結局,電源はどこを変えてもその都度大きな変化をもたらす.たとえ中間の配線がそのままでも,躊躇する必要はないということを実感したのである.

作業を終えて音質変化を確認する筆者

■ HST-SE電源工事施工登録店
 永光電設 (EIKO) 永瀬浩一
 兵庫県姫路市香寺町犬飼636番地
 TEL:079-232-7887
 https://www.eiko-technical.link

■サブゼロ処理研究所(Cryogenics Treatment Laboratory) 
 http://www.subzero-ctl.com

MJ無線と実験 2026年冬号
2025年12月10日発売
定価:2000円+税