●日食とは?
日食は、地球から見て、月と太陽が同じ方向に見え、太陽の前を月が横切る際に起こる現象です。このうち、月が太陽の一部を隠し太陽が欠けて見える現象を部分日食といいます。12月26日には全国で部分日食が見られます。1月6日に見られた部分日食に次いで、2019年の2度目の部分日食です。この貴重な現象をぜひ見てみましょう。
●2019年12月26日の部分日食
部分日食が起こる時刻や高度、角度は地域によって多少異なりますが、14時過ぎ~夕方にかけて全国各地で見ることができます。南よりの地域ほど大きくかけて見え、東京付近より北の地域では、日食のまま日没をむかえるため「日入帯食(にちにゅうたいしょく)」として見られます。太陽の高度は地平から20°くらいと低いので、西空の視界が低空までよく開けた場所で見るようにしてください。
さらに詳しい情報は「月刊天文ガイド」や「天文年鑑」「藤井旭の天文年鑑」などの雑誌や書籍をご覧ください。
●全国各地の見え方
今回の部分日食は東南アジア方面で見られる「金環日食」に関連するものなので、南よりの地方ほど大きく欠けて見えることになります。時刻は「始」が日食の始まり、「大」がもっとも大きく欠ける時刻、「終」が日食の終わる時刻を示しています。図に示してある都市以外の場所での時刻や食分は近くの都市の予報を参考にしてください。
【注意事項】
以下の使用方法を守って楽しく日食を観察しましょう。
①日食(太陽)の観察は直射日光の下で行なうことになります。長時間にわたる観察の際には熱中症などを防ぐため、ツバ付きの帽子などをかならずかぶるようにしましょう。
② 太陽を肉眼で直接見たり、黒い下敷きやフィルムを黒くしたものなどで見るのは大変危険です。日食観測用の日食メガネを使って日食を観察しましょう。
③ 日食メガネを両手でしっかりと持ち、周りの光が目に入らないようにします。太陽の光が直接目に入ることがないように注意します。
④ 日食メガネの遮光部分を眼の位置に合わせ、太陽の方向を見ます。太陽が視界に入るまでは何も見えませんが、絶対に日食メガネをはずして直接太陽を見てはいけません。
⑤ 望遠鏡や双眼鏡などを使って太陽を観察する際、日食メガネを通して太陽を見てはいけません。強力な太陽の光で目を傷めたり、失明する危険があります。絶対にしてはいけません。
⑥ 日食メガネを使用していても、長時間連続で太陽を見続けることは控えてください。1~2分間太陽を見続けたら、観察を中断して目を休めるようにしましょう。
●保護者の方へ
日食観察は宇宙のしくみや、その壮大さを感じることができる大変貴重な自然現象です。しかし、間違った方法で行なうと失明の危険をともないます。日食観察には日食観察専用の日食メガネを使って観察しましょう。お子様が日食メガネをご使用の際には、かならず大人の指導のもと、お子様だけで観察を行なうことは絶対にしないでください。また、日食メガネの改造もしてはいけません。