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2025年10月の星空

 10月になると秋も盛りとなり、心地よい秋風が吹き抜ける爽やかな季節となります。新米が出回り、栗やブドウ、リンゴなどの秋の味覚が食欲をそそります。
 夜空には西南西から東北東へ、夏から冬の天の川が天を横切り、南西から東の高い空には秋の星座が輝きます。西空高く夏の大三角が輝き、頭上高くには秋の大四辺形(ペガススの四辺形)が輝いています。
 南の空には土星、天王星、海王星といった遠方の惑星をとらえる好期でもあります。今年の春に環の消失が起きた土星が輝いています。望遠鏡を向けると、細い環を持った神秘的な姿が見られるでしょう。
 秋の星座の1等星は、みなみのうお座のフォーマルハウトのみで、まわりに明るい星が少ないため、ひときわ目立っています。
10月6日は中秋の名月です。日本最古の物語とされる竹取物語では、かぐや姫がこの中秋の名月の夜に月に帰ったとされています。秋の澄んだ空に輝く月の光が、この物語を生んだのかもしれません。
 10月14日の明け方4時ごろの南東の空高くは、木星と下弦の月ふたご座のポルックスが集合して輝き目を引きます。
 また、10月20日の明け方には、月齢27.5の細い月と-3.9等の金星が東空の低空で接近して輝き、目を引きます。地平線まで開けた場所で観望しましょう。
 さらに、10月21日にはオリオン座流星群が極大になります。この群の流星は高速で流れるものが多く、また暗い流星が多いのが特徴です。21日の空が暗くなる18時ごろから翌日の明け方までが観望のチャンスと考えられます。

同じ星空が見える時刻

10月上旬:22時ごろ
10月中旬:21時ごろ
10月下旬:20時ごろ

星座図の見かた

図の中央が頭の真上の"天頂"にあたり、円の周囲が地平線を表します。図の東西南北の方位と自分の立っている場所での東西南北の方位を一致させ、頭上にかざすと、星座や星を見つけだすことができます(この図は、頭上にかざして見るものなので、東と西の方位が一般の地図とは逆になっています)。
この図では、北緯35°付近での見え方を示してありますが、ほぼ全国的にこれと似た見え方になるとみて差し支えはありません。もちろん、北海道あたりでは北の空がより高く、沖縄付近では南よりの星座が高く見えるようになります。

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