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2025年5月の星空

 5月に入ると昼間の日差しは強さを増し、木々の若葉も日差しを受けて色鮮やかに輝きます。夜の寒さも和らいで夜空の星も見やすい季節です。5月の宵の空には、春の星座が空高く輝いています。日が暮れて空が暗くなり始めると、いち早く西の空に輝き出す1番星は木星です。空がすっかり暗くなるころには、北の空高く7つの星がひしゃくの形に並んだ北斗七星が目を引きます。ひゃくの柄から伸びる春の大曲線や春の大三角が春の夜空を彩ります。
 西の空に輝く火星と、南東の空低く輝くさそり座のアンタレスはともに1等級で赤く輝き、赤さを競っているかのようです。春の星座は冬や夏の星座のように華やかではありませんが、そこには銀河が多数潜み、大望遠鏡を使って撮影すると星の数より銀河の方がはるかに多く見えるといわれる領域です。
 5月の天文現象といえば、みずがめ座η流星群ですが、5月6日正午に極大となります。この群の流星は、ハレー彗星がまき散らしたちりが地球大気に飛び込んで出現するもので、高速で長い経路を持つのが特徴です。夜中の1時半ごろに流星の輻射点が地平線上に昇って来ると同時に月が沈むので、このころから空が明るくなるまでが観望のチャンスです。明け方になるにつれて流星数が増えてくるでしょう。
 さて、1月12日に地球に最接近した火星ですが、5月にはすでに地球からだいぶ遠ざかり、1.0等まで暗くなっています。この火星が5月中旬ごろまで、かに座のプレセペ星団をかすめて通ります小さな白い星ぼしの集まりに、赤く明るい火星が接近して輝き見事です。星団に最接近するのは5月5日ごろです。

同じ星空が見える時刻

5月上旬:22時ごろ
5月中旬:21時ごろ
5月下旬:20時ごろ

星座図の見かた

図の中央が頭の真上の"天頂"にあたり、円の周囲が地平線を表します。図の東西南北の方位と自分の立っている場所での東西南北の方位を一致させ、頭上にかざすと、星座や星を見つけだすことができます(この図は、頭上にかざして見るものなので、東と西の方位が一般の地図とは逆になっています)。
この図では、北緯35°付近での見え方を示してありますが、ほぼ全国的にこれと似た見え方になるとみて差し支えはありません。もちろん、北海道あたりでは北の空がより高く、沖縄付近では南よりの星座が高く見えるようになります。

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