10月になると秋も盛りとなり、心地よい秋風が吹き抜ける爽やかな季節となります。新米が出回り、栗やブドウ、リンゴなどの秋の味覚が食欲をそそります。
夜空には西南西から東北東へ、夏から冬の天の川が天を横切り、南西から東の高い空には秋の星座が輝きます。西空高く夏の大三角が輝き、頭上高くには秋の大四辺形(ペガススの四辺形)が輝いています。
南の空には土星、天王星、海王星といった遠方の惑星をとらえる好期でもあります。今年の春に環の消失が起きた土星が輝いています。望遠鏡を向けると、細い環を持った神秘的な姿が見られるでしょう。
秋の星座の1等星は、みなみのうお座のフォーマルハウトのみで、まわりに明るい星が少ないため、ひときわ目立っています。
10月6日は中秋の名月です。日本最古の物語とされる竹取物語では、かぐや姫がこの中秋の名月の夜に月に帰ったとされています。秋の澄んだ空に輝く月の光が、この物語を生んだのかもしれません。
10月14日の明け方4時ごろの南東の空高くは、木星と下弦の月ふたご座のポルックスが集合して輝き目を引きます。
また、10月20日の明け方には、月齢27.5の細い月と-3.9等の金星が東空の低空で接近して輝き、目を引きます。地平線まで開けた場所で観望しましょう。
さらに、10月21日にはオリオン座流星群が極大になります。この群の流星は高速で流れるものが多く、また暗い流星が多いのが特徴です。21日の空が暗くなる18時ごろから翌日の明け方までが観望のチャンスと考えられます。