3月20日は春分の日。これまで短かった昼の長さが夜の長さと等しくなり、これ以降は昼が夜より長くなって、季節は暖かな春へと移り変わっていきます。梅の花や水芭蕉の花が咲き始めると、いよいよ春の訪れが色濃く感じられます。
夜空を見上げれば、冬の星座は西の空に傾き始め、あれほどギラギラと鋭く冷たい光を放っていた冬の星座が、春の霞んだ空にあって、穏やかな光となっています。北の空高くには北斗七星が昇り、頭上近くには、春の星座のかに座やしし座が輝いています。
3月下旬は、惑星の中ではもっとも見るのがむずかしい水星を見るチャンスです。水星は太陽にもっとも近い軌道を回っているため、太陽から大きく離れて見えることがなく、姿が見える時間も長くありません。地動説を唱えたコペルニクスが、生涯1度も水星を見たことがなかったという逸話は有名です。この水星が3月25日に東方最大離角を迎え、太陽から東にもっとも離れます。この日、夕方の空に輝く水星の高度は今年一番の高さとなるため、夕方の空で水星を見るチャンスです。双眼鏡があればより見つけやすいでしょう。ぜひ、チャレンジしてみてください。