秋になると、日が早く暮れるようになったおかげで星が見やすくなります。秋の夜空を飾る星座は、なぜか2つのグループに分けられます。1つ目は、ギリシャ神話の中でも勇ましい冒険物語であり、ロマンあふれる「エチオピア王家にまつわる物語」の登場人物たちです。絶世のアンドロメダ姫、娘自慢のカシオペヤ王妃、エチオピア王ケフェウス、空飛ぶ天馬ぺガスス、英雄ペルセウス、それぞれが登場人物の名前の付いた星座になっています。また、神の命令でエチオピアを襲う海獣化けくじらは、くじら座です。
そして、もう1つのグループは、水に関係する星座です。やぎ座は上半分が山羊で下半分は魚の星座。みずがめ座は水の入った瓶を持つ人の星座で、瓶から流れ出す水は、みなみのうお座の口に注ぎ込まれています。うお座はリボンでつながれた2匹の魚の星座、くじら座はエチオピア王家にまつわる物語にも登場した化けくじらです。星座を生み出した人々の故郷は半砂漠地帯で、川の水を灌漑して暮らしていました。秋は待望の雨の季節であり、人々の願いが星座に反映されたと思われます。