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宇宙大航海時代

「発見の時代」に探る、宇宙進出への羅針盤

編集: JAXA宇宙大航海時代検討委員会

定価(税込)4,180円

発売日2022年12月08日

ISBN978-4-416-52271-4

宇宙進出に求められる社会的視点を、大航海時代に類似性を見出し、新たな指針を探る一冊。

内容

宇宙大航海時代を迎え、人文社会的視点を中心に、過去の大航海時代の背景との類似性等を分析するとともに、その後、創出されたイノベーションについて考察する内容。月や火星の探査にのぞむ宇宙大航海の時代の到来をみすえて、その比較、現状把握を行うとともに社会的コンセンサスの参考となる一冊。

本書は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)により12回にわたって開催された『宇宙大航海時代検討委員会報告書』に基づき原稿を執筆し、一般向け書籍としてまとめたものである。

著者紹介

JAXA宇宙大航海時代検討委員会(ジャクサ ウチュウダイコウカイジダイケントウイインカイ)

國中 均 Hitoshi Kuninaka
久保田 孝 Takashi Kubota
樋口 清司 Kiyoshi Higuchi
成田 伸一郎 Shinichiro Narita
浅見 雅一 Masakazu Asami
合田 昌史 Masafumi Goda
川村 信三 Shinzo Kawamura
関 哲行 Tetsuyuki Seki
篠原 愛人 Aito Shinohara
村井 章介 Shosuke Murai
三田 一郎 Anthony Ichiro Sanda
川崎 一義 Kazuyoshi Kawasaki

ここだけの話

誰もが宇宙大航海時代に生きている…。 読者の皆さんにも、ぜひ新たな指針の発見を試みてほしい!

本書は人類の宇宙進出のために求められる社会的な視点を、大航海時代を振り返って類似性などを分析することにより、進むべき羅針盤的役割を模索する内容となっています。

しかし、宇宙探査の将来が連綿と描かれている本を期待して本書を手に取った方は、想像していた内容との違いに、かなり驚くことになるのでは、と考えます。もちろん、宇宙探査の歴史や将来構想などの記述は前半にしっかりと解説されているものの、第二部から始まる大航海時代の解説では、「宇宙の本を読んでいる」ということを忘れてしまうぐらいのボリューム感で、当時の事が深堀されています。宇宙大航海時代というテーマで議論を始めるにあたり、まずは大航海時代当時の社会的背景、人々の考え方、宗教観、世界に線を引こうとするヨーロッパの国々の思惑、そして占領された人々の苦しみや抵抗など、あらゆる側面から歴史を紐解くことが必要である、というJAXAの姿勢、本気度を感じていただけるのではないか、と思います。

 

大航海時代から得られた指標とはいったいどのようなものなのか、後半のまとめを読んでいただくと同時、読者の皆さんにも「宇宙大航海時」を生きる一人として、分析と新たな指針の発見を試みていただけると、この本はとても意義のあるものになるだろうと考えます。

 

 

 

…さて、本書の校了直前には、全国各地で、天王星食を伴う皆既月食が観測されました。仕事が押して皆既時には帰宅できませんでしたが(写真は、皆既が終わった後の部分月食)、帰宅途中、御茶ノ水駅近くの橋の上では、大勢の人が赤くそまった月にカメラやスマホを向けていたのが印象的でした。

その月に、アポロ計画以降、約50年ぶりに人を送り込むというNASAのアルテミス計画が始まり、同じ11月に無人の初号機の打上げが成功しました。気軽に、とは言えないまでも、誰もが月に行けるチャンスが数十年のうちにやってくるのでは…。そのとき、万に一つ私にもチャンスがあるのなら、ぜひ月から美しい地球の姿を撮影してみたいと思います。

 そんな思いを抱きつつ、自分も宇宙大航海時代の人間として、この本に携われたことに、少なからず喜びを感じています。

商品名 宇宙大航海時代

商品名(カナ) ウチュウダイコウカイジダイ

編集者名 JAXA宇宙大航海時代検討委員会

判型 A5

ページ数 424

序文 なぜ「宇宙大航海時代」なのか(國中 均)
第1部 宇宙大航海時代における日本の位置
  第1章 太陽系探査と大航海時代の航海技術の対比
  第2章 日本の宇宙探査の黎明期 ―小惑星探査「はやぶさ2」ミッション
  第3章 宇宙大航海時代の足音
  第4章 人類の活動領域拡大事業における現状認識と、今後の有人宇宙事業シナリオ
第2部 大航海時代からの歴史的考察 
  第1章 大航海時代史概説
  第2章 地球を山分けする…「世界分割」の夢
  第3章 大航海時代の動機と心性について ―マグリブと騎士修道会を手がかりとして
  第4章 イエズス会:「大航海時代」の一つの精神
  第5章 グローバル化の起点としてのコロンブスとコルテス
  第6章 近世のカナリア諸島 ―地中海世界とアメリカ植民地の結節点―
  第7章 インド洋は誰のものか ―ビトリア、グロティウス、フレイタスの議論―
  第8章 日本から見た大航海時代 
  第9章 宇宙大航海時代と宇宙創造主について
第3部 宇宙大航海時代の展望
  第1章 総括 ―委員会の議論で得られたもの
  第2章 シンポジウム ―委員会とJAXA研究者・技術者との自由討議
  あとがき

宇宙大航海時代検討委員会開催日程
執筆者紹介

お詫びと訂正

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