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MJ無線と実験 2021年10月号

編集: MJ無線と実験編集部

定価(税込)1,430円

発売日2021年09月10日

特集では、CDプレーヤーのアナログ出力に接続するライントランス12種を試聴しました。 MJ無線と実験編集部 : 桂川

内容

【特集】ライントランスの研究

 

10月号ではトランスメーカー各社のライントランスを取材し、CD再生などの試聴を行いました。

また筆者のライントランス使いこなしアイデアなどをご紹介しています。

製作記事は征矢進氏の5998シングルアンプ、岩村保雄氏のCR型イコライザーアンプ、金田明彦氏のバイポーラーTrドライブSiC MOS-FETバッテリードライブパワーアンプなどを掲載しています。

ここだけの話

トランスは奥が深い受動素子

オーディオ機器には、ほとんどと言っていいほどトランスが使用されています。

半導体アンプでは電源トランスが、真空管アンプでは電源トランスと出力トランスが主です。

 

トランスは鉄芯に銅線を巻いたコイルが組み込まれていて、たいていは2組以上のコイルが使用されています。1組(1次巻線)のコイルに交流の電圧をかけると鉄芯が電磁石となり、もう1組(2次巻線)のコイルに電圧を発生させます。コイルの巻線数を変えれば発生する電圧が変化します。

 

 

電源トランスでは1次巻線が交流100Vで、半導体アンプの場合、2次巻線以降はたいてい100Vよりも低い電圧です。真空管アンプでは動作に高い電圧を要求するため、2次巻線以降を200〜400Vとするものもあります。また真空管ヒーター用に数Vと低い巻線も用意されます。

 

 

オーディオ信号にもトランスが使用されます。

トランスを使用すると信号を絶縁できるため、アースに起因するノイズ面で有利となります。

また1次と2次の巻線比を変えることで、信号の増幅も減衰もでき、さらにバランス・アンバランス変換もできます。

 

以前からMCカートリッジの小さな出力電圧を昇圧して、MMカートリッジ並みにする昇圧トランスが賞用され、また可聴帯域外の周波数をカットすることもできるので、デジタルオーディオ機器に内蔵されるケースもあります。

 

 

今回の特集では、CDプレーヤーのアナログ出力に1:1ライントランスを接続して、その音質変化を確認しました。

真空管アンプでは入力トランス、段間トランス、出力トランスが多用されてきましたが、半導体アンプでは多くの場合、トランスを使用しない直結回路が使用されています。

 

トランスの1次巻線インピーダンスは巻線比と2次巻線の負荷で決まり、さらに単巻、センタータップ巻線、スプリット巻線などの巻線の構成もあり、理解するのは容易ではありません

 

本誌の真空管アンプ製作記事が参考になれば幸いです。
写真は特集で取材したライントランスです。

雑誌紹介

『MJ無線と実験』は『無線と實驗』として1924年に創刊されました。創刊当初はラジオと無線通信、第2次世界大戦中は電子技術の軍事利用、終戦直後にはラジオとアマチュア無線の大ブームに乗り、その後はテレビやデジタル技術を含むエレクトロニクス総合誌となりました。1970年代からはオーディオ記事の比率を上げ、現在は「オーディオ総合月刊誌」となっています。創刊以来、自作機器を中心に、オーディオ技術を一貫してそのテーマとし、現在でも最先端の情報を反映しながらその伝統を継承し続けています。

商品名MJ無線と実験 2021年10月号

商品名(カナ)エムジェームセントジッケン 2021ネン10ガツゴウ

編集者名MJ無線と実験編集部

判型B5

【特集】ライントランスの研究
○ライントランス12種の試聴
ゼネラルトランス販売 PMF-10K-10KCTL FM-10K-10KL FMN-600CT FM-1010N/タムラ製作所 TD-1/ルンダール LL1527XL LL6810/春日無線変圧器 KAI-10K/東栄変成器 600-600Z/ハシモトトランス A-105 A-305/フェーズメーション バランス・アンバランス変換トランス
○ライントランスに期待される効果 柳沢正史
○CDプレーヤーの出力にWE 111C Repeating Coilを挿入 岩村保雄

【オリジナル・サウンドシステムの製作】
●Ep-Ip特性にクセありの真空管を使いこなす 5998シングルパワーアンプ 征矢 進
●RIAA、Columbia、Deccaのイコライジングカーブに対応した CR型フォノイコライザーアンプ 岩村保雄
●設計から改造までDIYで楽しむ真空管アンプ製作 No。24 ビーム管6550A/EL34 UL接続シングルアンプを作る(6) よみがえった80年代ポップス 秋一郎
●DCアンプシリーズNo。279 2段目 2SA606 差動アンプ、ドライブ段 2SC959 エミッターフォロワー、4端子SiC MOS-FET出力段、バッテリードライブ バイポーラーTrドライブSiC MOS-FETパワーアンプ 前編] 金田明彦
●パソコンによるオーディオアンプ設計・製作支援[第28回] VCA型フェーダーボックスの製作と試聴 池田平輔
●高能率・高音質システムを目指す 小型スピーカーの設計と製作 第162回 小澤隆久
●最新の測定と設計による、高性能・高音質スピーカーの製作9 SBアコースティックスのSatoriユニットを使った高性能3ウエイスピーカー9 クロスオーバーネットワークの製作 鈴木康平

【オーディオテクノロジー】
●いい音をずっと楽しむための提案 第4回 聴覚特性バランスのための音量調整 新井悠一
●MJテクニカルレポート バクーンプロダクツMJK-1002 半導体ラインコントロールアンプの詳細 永井明
●アナログオーディオの多面的な楽しみ方[第2回] インシュレーターによる音質チューンアップ 小林 貢
●クラウドdeオーディオへの誘い 第17回 音楽ストリーミングの対極 レコードとWebとの意外な関係 正木豊
●音楽再生の小宇宙を探索 スモールオーディオで楽しもう 第13回 バランスとアンバランス 半澤公一
●ハードウエアの変遷にみるオーディオメーカーの歴史[第86回] オーディオテクニカの歩み・カートリッジ編(3) 1980〜1988年の注目モデル 柴崎 功
●ウエスタンエレクトリックの歴史 第31回 不況下の前進:ボストウィックトゥイーターの登場 長澤 健

【MJベストオーディオコンポ】
[ズームアップ]
●アキュフェーズ DP-1000 SACD/CDトランスポート DC-1000 PCM 384kHz/32bit、DSD 11。2MHz対応D/Aコンバーター
●ソウルノート ZEUS ネットワークプレーヤーシステム Z-3 ネットワークトランスポート D-3 D/Aコンバーター X-3 10MHzクロックジェネレーター RCC-1 クロックケーブル
●ディナウディオ Emit20 バスレフ型2ウエイスピーカーシステム
●ディープタイム IONIC SOUND SYSTEM 3Dスピーカーシステム

[MJレポート]
●ソリッドスチール SS-6 ステンレス製スピーカースタンド

●新製品ニュース

【オーディオ&ソフトガイド】
●日用品の活用から本格的な製作まで オーディオアイデアノート 竹村厚治
●MJオーディオ情報
●LPレコードの真実 第97回 仏・独のハルモニア・ムンディ 山口克巳
●ジャズ&ポップス新譜レビュー
●クラシック名盤名演奏 162 トスカニーニ・メモリアル・コンサート 平林直哉
●名曲を訪ねてシネマの森へ161 柳沢正史

【読者のページ】
●サイドワインダー
●第12回 信州自作オーディオ同好会試聴会
●MJディメンション
●部品交換

【表紙】
アキュフェーズ DP-1000 SACD/CDトランスポート DC-1000 D/Aコンバーター

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