粉引の器 その発想と作り方

美しく、使い勝手のよい白化粧の器をさがす、つくる、つかう

編集: 陶工房編集部

定価(税込)2,750円

発売日2020年07月13日

ISBN978-4-416-62007-6

第一線で活躍する作家たちの創意工夫について、その思いから技術までじっくり取材。

内容

作家ものの器をよく知りたい人から陶芸趣味の人まで必見
作り手の思いと技術に迫る

 

粉引きとは、土の上に白化粧と釉薬をかけたものです。
素土と釉薬の間に入る白化粧がもたらす独特の柔らかいアイボリーは、どんな食事にも映え、食卓をおしゃれな雰囲気にすることで人気があります。

 

本書ではまずは基本の手順を紹介した上で、第一線で活躍する作家たちがどのように創意工夫をプラスしているのか、その思いと技術をじっくり取材しています。
白化粧の多彩な表現力や発想の可能性が見どころです。

 

陶芸趣味の人はもちろん、器好きな人には粉引の魅力や鑑賞ポイントがよくわかる1冊です。

ここだけの話

器が好きなら「かさましこ」へ行きませう

日本は世界に冠たる陶芸大国。

 

 各地に数多くのやきもの産地があり、多種多様なやきものが作られています。

 陶芸の本を作ろうと思ったら、それこそ膨大な取材候補があるんです。特色や見どころもバリエーション豊か、さぁどこから攻めようか……そうやって「陶工房」という雑誌を50年余り作ってきた編集部の結論は、その時その時「元気な産地にはかなわない」ということでした。

 

 2019年の秋、編集部は縁あって、茨城県笠間秋の陶器市に出店しました(上写真)。

 

 ここで笠間というやきものの町の、元気や勢いのよさに触れました。のびのび活動している若手の作家が日本中から集まっていました。芸術家にあたたかい土地柄、そこかしこに点在する素敵なギャラリー……昔からの伝統に加えて、多彩な才能を伸ばす自由な風土があるのかもしれません。

 

 産業として日本のやきものは廃れてきた、なんていう人もいますが、実際は古いしがらみがなくなり、イベントやSNSで自由に発信する作家たちが、誰もが手に届く値段で器を売ってくれる世の中になっているのだなと肌で感じることができます。

 

 今回粉引という技法に特化した書籍を作るにあたり、笠間と、同様に元気な産地、益子(栃木県)で作陶する作家を中心に取材することにしました。この2つの地域を合わせて地元の人は「かさましこ」なんて呼んだりします。

東京からかさましこに行くにはいくつかの方法があります。

 

1つは電車

 

 おすすめは特急ときわです。東京近郊の方、時間によっては東京駅からでも乗れますが、ぜひ上野駅からのご乗車をご検討ください! 

 

常磐線特急ホームは昭和の雰囲気が色濃く残る地上ホーム旅情をぐっとかきたてます。

 

特急は「友部」で降りてください。ここでJR水戸線に乗り換えて一駅お隣が「笠間」です。

 

 上野から約1時間20分。特急車内は快適ですよ、ひじかけにはコンセントがありますからPCだってスマホだってご自由に。

もう1つの方法は秋葉原から「やきものライナー」という高速バスに乗ることです!

 

電車では行きにくい益子に行くなら特におすすめ

 

 秋葉原発午前820分、午後1510分、1600分、1700分と本数は多くありませんが、笠間にも益子にも寄ってくれる、器好きのためのドリームな乗り物と言えるでしょう。編集部も取材中なんどもお世話になりました。

 

 戦利品の器を大事に抱えて持って帰るには、バスの方がゆとりがあります(写真は益子のお買い物中心地「陶芸メッセ」のバス停)。

 

 

 今年は新型コロナウイルスの影響で、笠間も益子もGWの陶器市が中止になってしまいました。が、お店は営業しています。

 

 作家もののの器を我が家にちょっと買い足したい、と思ったらお近くのやきもの産地へ、もしまだ「かさましこ」に行ったことがないなら、笠間・益子に是非一度、お立ち寄りくださいませ

(情報は2020630日現在のものです)                   

書名 粉引の器 その発想と作り方

書名(カナ) コヒキノウツワ ソノハッソウトツクリカタ

シリーズ名 陶工房BOOKS

編集 陶工房編集部

判型 B5変(縦210mm×横182mm)

ページ数 168

第1章 基本の作り方
材料と道具/形を作る/化粧土をかける/素地と化粧土の調合/釉薬と本焼き/粉引の見どころ

 

第2章 土と形
●各地で採れる原土を薪で焼くプリミティブな楽しさにあふれた力強い、一期一会な器
●シャープで美しいフォルムとマットな質感が魅力の生活に溶け込む器
●時の流れを感じさせるアンティークのような風合いの器たち

 

第3章 化粧と装飾
●井戸茶碗のような雰囲気を目指し1000 通り試して生み出した皹粉引
●ほっとする柔らかなフォルムのなかに浮かぶ愛らしい幸せを運ぶ鳥
●粉引に似合うしのぎ模様 静かな佇まいは職人の手仕事が生む足さない美
化粧土をこう使う

 

第4章 釉薬
●自然の恵みを生かした灰と原土が生命線 普段使いしやすい灰釉粉引
●食器としての使い心地を重視 木灰釉にこだわり、柔らかな雰囲気に
釉薬の基礎知識

 

第5章 焼成
●ガス窯で生まれる黄粉引と原土とマット釉でつくる豊かな表情が魅力の登り窯で焼く粉引
●2つの薪窯を駆使した多彩な焼成 化粧土の下から顔を出す土の個性
窯の基礎知識/焼成の基礎知識

 

コラム
粉引がもっとわかる12のお話
この本で紹介した陶芸家の連絡先

お詫びと訂正

関連情報